長岡商が2年連続12度目の優勝に輝いた。新発田商をフルセットの末に撃破。6月の県高校総体決勝で対戦して1-2で敗れた宿敵に雪辱を果たし、王座を取り返した。優勝校は、来年1月5日に開幕する全国大会(東京体育館)に出場する。
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勝って、全員が泣いた。今年に入って3度目の対戦。1勝1敗で迎えたライバル新発田商との勝負を制した。主将の加納理美(3年)は「うれしくて、もう本当に。うれしかったです」と目を赤めながら声を弾ませ、曽根喜広監督(47)も「なんとか熱い試合を、と。感極まってしまいました」とスタンドに目を向けたとき、涙があふれた。
崖っぷちから這い上がった。6月に福井県で行われた北信越高校総体では初戦で北陸(福井)に敗れた。「次はもう春高(全国大会)しかない」と加納。敗れた直後には指揮官の提案もあり、福井県でも断崖絶壁で有名なスポット「東尋坊」に訪れた。本当の意味での“崖っぷち”を前にして、楽しむ様子を全員で記念撮影。その写真を携帯のホーム画面にし、試合に臨んだ。
苦しい展開は試合前から想定済み。だが、エース森山来実(3年)が試合前日に発熱。いきなり崖に追いやられたが、森山は「やるしかない」と気合を見せた。試合も最終セットまでもつれる五分の戦い。だが、最後はしっかりと踏ん張り、勝ち切った。試合後、加納は「本当に崖っぷちだったんですけど、それを楽しめた」と胸を張った。
昨年は、同校9年ぶりとなる全国大会1勝を挙げた。狙うはその先。加納は「2勝、3勝。長岡商業が新潟の代表として、もっと勝てるようにやっていく」。ただ前だけを見据えた。【大島享也】